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「生命は」

吉野弘さんの詩です。

 

 

 

生命は

 

生命は

自分自身だけでは完結できないように
つくられているらしい
花も
めしべとおしべが揃っているだけでは
不十分で
虫や風が訪れて
めしべとおしべを仲立ちする
生命は
その中に欠如を抱き
それを他者から満たしてもらうのだ

 

世界は多分
他者の総和
しかし
互いに
欠如を満たすなどとは
知りもせず
知らされもせず
ばらまかれている者同士

無関心でいられる間柄
ときに
うとましく思うことさえも許されている間柄
そのように
世界がゆるやかに構成されているのは
なぜ?

 

花が咲いている
すぐ近くまで
虻の姿をした他者が
光をまとって飛んできている

 

私も あるとき
誰かのための虻だったろう

 

あなたも あるとき
私のための風だったかもしれない

 

 

 

『少年少女に希望を届ける詩集』(コールサック社)所蔵

 

 

 

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「学ぶ」

谷川俊太郎さんの詩です。

 

 

学 ぶ

 

あなたは学ぶ
空に学ぶ
空はすでに答えている
答えることで問いかけている

 

わたしは学ぶ
土に学ぶ
隠された種子の息吹
はだしで踏みしめるこの星の鼓動

 

あなたは学ぶ
木に学ぶ
人からは学べぬものを
鳥たちけものたちとともに学ぶ

 

わたしは学ぶ
手で学ぶ
石をつかみ絹に触れ水に浸し火にかざし
愛する者の手を握りしめて

 

あなたは学ぶ
目で学ぶ
どんなに見開いても見えぬものが
閉じることで見えてくること

 

わたしは学ぶ
あなたから学ぶ
わたしとは違う秘められた傷の痛み
わたしと同じささやかな日々の楽しみ

 

わたしたちは学ぶ
本からも学ぶ
知識と情報に溺れぬ知恵
言葉を超えようとする言葉の力を

 

そうしてわたしたちは学ぶ
見知らぬ人の涙から学ぶ
悲しみをわかちあうことの難しさ

 

わたしたちは学ぶ
見知らぬ人の微笑みから学ぶ
喜びをわかちあうことの喜びを

 

 

 

『少年少女に希望を届ける詩集』(コールサック社)所蔵

 

 

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『人生という名の手紙』より

ダニエル・ゴットリーブ著『人生という名の手紙』(講談社)より、心に残った言葉を。

 

 

 

人はまた、自分の弱さを見せまいと必死になり、自分を偽ることが多い。
でも、まず、自分から「強いふり」をやめないかぎり、相手も内に秘めているやさしさを見せてくれないものなんだよ。(p87)

 


何かを求めることは、心の中に痛みがあることを示している。
そして、それはただ、わたしたちが人間であることを示しているんだよ。
サム、ほとんどの人は、非現実的で夢物語のような愛情と親密さを渇望していると、わたしは思う。
つまり問題は、その心の空洞をどう埋めるかということではない。
問題は、その渇望を抱えながら、どう生きるかなんだよ。(p133)

 


恥ずかしい思いをした時には、ありのままの君を愛し、受け入れてくれる誰かを探してほしい。自分をさらけ出すことで生まれる親密さには、驚くべき可能性が秘められている。それは、ありのままの君を愛してもらえる可能性なんだ。(p204)

 


サム、君の問題が消えることはないだろう。
君もわたしも、君がときどき感じている苦痛を追い払うことはできない。そして、君は、自分の苦しみに背を向けることはできない。
けれども、一歩世界に踏み出しさえすれば、君の入れ物は、想像しているよりずっとずっと大きいことに気づくだろう。(p233)

 

 

 

 

 

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『ドリー先生の歳月』より

 

ミス・リード著『ドリー先生の歳月』より、心に残った言葉を。

 

 

自分は今、子どもたちに何と告げることができるのか? ドリーは思った――自分が後世に伝えることができるものがあるとしたら、それは自分をこれまでずっと支えてくれた人生観だろう。どのような問題にたいしても、落ち着いて、勇敢に立ち向かうこと、自分の家族と友人を心から愛しつづけること、さらに自分が住む地域のうつくしい自然を大切にすること。月並みな処世訓、平凡な価値観と見えるだろう。しかしドリー・クレアは長年の経験から、そうした哲学こそが人生の浮き沈みにあって雄々しく己を持して行くことを得させてくれるのだということを知っていたのだった。

 

 

 

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「バスのなかで」

坂村真民さんの詩です。

 

 

 

バスのなかで

 

 

 

この地球は
一万年後
どうなるかわからない
いや明日
どうなるかわからない
そのような思いで
こみあうバスに乗っていると
一人の少女が
きれいな花を
自分よりも大事そうに
高々とさしあげて
乗り込んできた

その時
わたしは思った
あゝ
これでよいのだ

たとい明日
この地球がどうなろうと
このような愛こそ
人の世の美しさなのだ
たとえ核戦争で
この地球が破壊されようと
そのぎりぎりの時まで
こうした愛を
失わずに行こうと
涙ぐましいまで
清められるものを感じた
いい匂いを放つ
まっ白い花であった

 

 

 

『朴』より

 

 

 

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「虹の足」

吉野弘さんの詩です。

 

 

虹の足

 

雨があがって
雲間から
乾麺みたいに真直な
陽差しがたくさん地上に刺さり
行手に榛名山が見えたころ
山路を登るバスの中で見たのだ、虹の足を。
眼下にひろがる田圃の上に
虹がそっと足を下ろしたのを!
野面にすらりと足を置いて
虹のアーチが軽やかに
すっくと空に立ったのを!
その虹の足の底に
小さな村といくつかの家が
すっぽりと抱かれて染められていたのだ。
それなのに
家から飛び出して虹の足にさわろうとする人影は見えない。
‥‥‥おーい、君の家が虹の中にあるぞォ
乗客たちは頬を火照らせ
野面に立った虹の足に見とれた。
多分、あれはバスの中のぼくらには見えて
村の人々には見えないのだ。
そんなこともあるのだろう
他人には見えて
自分には見えない幸福の中で
格別驚きもせず
幸福に生きていることが‥‥‥。

 

 

 

『贈るうた』(花神社)より

 

 

 

 

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「デージィ」

新見南吉さんの詩です。

 

 

デージィ

 

小さいデージィが
咲いたのは
小さいひなたの
小さいはたけ
それは小さい花なので
小さい蜂と
小さい風が
お祝いに来ている
小さい南京虫も
そこらにちかちかしてる
わたしはそこを通るとき
小さい彼等の
小さい仕合せを
邪ましないよう
そっと見て通る

 

 

 

『花をうかべて』(フォア文庫)より

 

 

 

 

 

 

 

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「祝婚歌」

吉野弘さんの詩です。

 

 

祝婚歌

 

二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは
長持ちしないことだと気付いているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
二人のうちどちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで
疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気付いているほうがいい
立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には
色目を使わず
ゆったり ゆたかに
光を浴びているほうがいい
健康で 風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと 胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そして
なぜ胸が熱くなるのか
黙っていても
二人にはわかるのであってほしい
 

 

 

詩集『風が吹くと』所蔵

 

 

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「賑々しきなかの」

茨木のり子さんの詩です。

 

 

賑々しきなかの

 

言葉が多すぎる
というより
言葉らしきものが多すぎる
というより
言葉と言えるほどのものが無い

 

この不毛 この荒野
賑々しきなかの亡国のきざし
さびしいなあ
うるさいなあ
顔ひんまがる

 

時として
たっぷり充電
すっきり放たれた日本語に逢着
身ぶるいしてよろこぶ我が反応を見れば
日々を侵されはじめている
顔ひんまがる寂寥の
ゆえなしとはせず

 

アンテナは
絶えず受信したがっている
ふかい喜悦を与えてくれる言葉を
砂漠で一杯の水にありついたような
忘れはてていたものを
瞬時に思い出させてくれるような

 

 

 

詩集『寸志』所蔵

 

 

 

 

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「ばらを植えよう 冬の嵐の中で ばらを植えよう」
最近、心に残った言葉です。


希望は裏切られる。何度でも。裏切られることによって、希望は確かなものになっていく。わたしたちは、裏切られ、試され、そのたびにより根拠づけられたものとなる「希望」に鼓舞され、道を示され、ひと所に安住することなく、そのたびに限界を踏み越えて行く。

(エルンスト・ブロッホ)



どうしたら、「冬の嵐の中で」ばらが植えられるのかわからないけれど、
春にとったバラの写真を一枚ずつアップしていくことにしましょうか。

ブログを辞めないこと。見に来てくださるあなたのために・・・わたしにできる、せめてものこと。




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